平成23年9月7日〜15日(競技日9月11日〜15日)

今回の国体は通常と違い1射面で行うために5日間開催となりました。このため必ずどこかで1日は競技を行わないお休みの日が各自に訪れます。私は2日目が休みとなりまして徳山港から船で20分くらいの大津島と言う島に行き人間魚雷【回天】の資料館に行きました。この模様は後ほど公開いたします。

私は初日の最終組16:50スタートが1ラウンド目でした。今回は全体のスコアーのみを見ている人には単純に難しい射撃場なのかな?程度にしか伝わらないと思いますが射撃場の難易度と言うよりは射順による運不運の要素が非常に大きかったと思います。

まず、朝8時までにスタートする組は太陽の日差しの関係で射台によってはレンズの裏側に光りが入ってしまったり右に飛ぶクレーが見ずらかったりしたようです。
また、15時以降にスタートする組は西陽(にしび)でクレーが丁度、月で言うところの新月の状態になり黒っぽくなってほとんど出が見えない状況でした。この状況は15時くらいから始まり最終組はそのピークとなります。

3番セットと言う事もあり全体的に低いクレーが多く、左に飛ぶクレーが15時以降の組はほぼ黒いモヤモヤが一瞬で視界から消えるような体感でした。
私は何とか22点で切り抜けましたが恐らく、ここが本大会の一番の難関だったと思います。

ですから皆、朝一や15時以降の射順が何回廻ってきたかで大きく点数を落とす事になってしまったのです。10点台のスコアーを撃っている人はほとんどこの時間帯でした。

また、スコアーがまとまらない要因として放出口の、のりしろから先が下っていて地面がない状態の射撃場だったことがあります。関東勢には群馬ジャイアントの左側の射面と言えば分かりやすいでしょうか?
とにかくそのような射撃場で撃った経験が無く高付けで構える人は空中には目の焦点を合わせることが出来ないので照星の置き所を模索しているうちに競技が終わってしまったのではないでしょうか?
また、地面が無いためにクレーが高く感じる錯覚を起こしている人も多数いたようです。

私が実射した感じでは1.5mのクレーは1.5mで飛んでましたし2.2mのクレーは2.2mで飛んでいました。なのでクレーのセットはセット表通りの正規で飛んでいたと思います。
見難い時間帯であったり地面が無いことなどで、正規以上に飛んでいるように感じた人も多かったようですが埼玉県の選手内では正規で飛んでいると意見が一致し「きっちりだから周りの情報に騙されるな」と栗原監督からも再度注意がありました。

「国体は1日1ラウンドだからスコアーをまとめることが難しい」と良く耳にしますが私にとって1に1ラウンドは非常に楽と言えます。4ラウンドのペース配分やラウンド間の過ごし方などを管理しなくて良いですし全力で取り組んで疲れきっても2ラウンド目は無いのですから、これほど楽なことはありません。

但し、この全力で取り組むと言うのが非常に難しく私は【100%の気持ち】と言い聞かせていますがラウンド終了後に余力があってはならないのです。
また、殆どの人が知っていても気が付いていないことがあります。

コールをするとクレーが放出される

当たり前じゃないか!と思われる人も多数いると思いますが、本当にわかっていますか?
コールするとクレーは出るんです。
ですからコールする時は絶対に当てるという準備が100%出来ていて初めて行うものであり「自分の順番が来たからなんとなくコールする」では現行ルールでナスタの放出機では満射を撃つのは容易ではありません。

この100%の気持ちを持って10秒以内にコールしなくてはならないのですから外的姿勢に無駄があってもコンセントレーションにムラがあっても高得点には結びつきません。

私は初日の22点に関して条件が非常に悪い中で全力で撃てたと思っています。惜しまれるのは20枚目の1番射台の左をトンボによる幻惑に合い不可抗力的に外したこと位でしょうか?

2ラウンド目も22点でしたが分かっている右と左を抜くなど2点ほど凡ミスがありました。しかもホテルに戻りある事に気が付きました。

【まだ3〜4ラウンド撃てそうだ】

全力で取り組んだつもりが通常の公式戦での100個撃ちのようなペースで射台に立っていた自分に非常に腹が立ちました。本来は歯磨き粉を使い切った後に無理やり爪で押し出して後1回分捻り出すくらいの気持ちで望まなくてはならないのに対し余力が有り余っていました。

通常、公式で90点ちょぼちょぼ撃てればいいか。
くらいの気持ちで参加して1ラウンド目が22点だった場合に「22点ならまぁいいか、次で23か24点撃てれば問題なし」と言うような終わり方をしていました。

1日1ラウンドなのですから常に25点を狙って全力を捻り出さないといけなかったのです。
この日の晩、腹の虫が収まらずホテルの夕食時に、このことばかり考えていたため食事もあまりのどを通らずにいました。帰りに同じ埼玉県代表の清水さんと話をして腹が立っているベクトルが明日は絶対に満射を撃ってやる!と言うモチベーションに転換されていきました。

そうとなったら急に腹が減ってきて清水さんに付き合ってもらい「肉を食わなきゃパワーがでない!」をモットーに焼肉屋に行きました。
そして明日は100%の気持ちで撃つぞ!と心に誓いました。
  

右手奥が次番の射手が待機するエリアです 中央奥の審判団席の後ろが監督席になっています。

観客席は射台の真後ろに設営されていました

射撃終了後はサイドレフリーと得点の確認のお手伝いをします
 
射撃が終了するとすぐに得点版にスコアーが記入されていきます

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