3月の22日から3日間高知の潟~ロク製作所に工場見学を兼ねたミロク銃についての講習会があり参加してきました。銃の分解組み立てから引き金調整やイジェクターの調整またリブのへこみの修理など色々な技術を勉強してきました。これらの作業は自己流では分かっていた事なのですが実際の手順や勘違いも多く大変勉強になりました。まずはミロク製作所の歴史から生産体制販売状況などの講義があり話を聞いて驚くことが大変多かったことを覚えています。この研修会を通じてミロク銃の良さを再認識しました。

今回の研修会で僕はいくつかどうしても知りたかったことがあり、直接職人さんや設計者の方と話す機会がありすべての疑問を解消してきました。
まずは銃身の材料についてですが最近イタリアの銃で盛んに使用されているボーラ鋼についてです。ペラッチやベレッタはこのボーラ鋼で銃身が作られています。僕個人ボーラ鋼について何も知りません。知っているのは名前だけです。高度や金属特性など他の銃身材料とどう違うのか?しかしイタリア製の高級競技銃は皆このボーラ鋼を使っているのです。カタログ等で銃身材料としてこの材質が最も優れているとうたっていることから先入観としてボーラ鋼でないとダメだ、という判断に偏ってしまっていました。実際ミロクの銃身はスペシャルスチールとしか書いてありません。実際の金属の型式で言うとSCM435と言う鋼材を使っていますが、これではピンときません。技術者の話ですが「こんなに鋼材名での印象が大きいのならばもっとかっこいい名前でそれらしいのを付ければ良かった」といってました。ん?何?たったそれだけのことなの? そうなのです。材料の質に付いては何ら変わらない品質を持った材料を使っているのです。しかし重さに付いては耐久性を重視して多少肉厚になっているのは事実です。他のメーカーに比べてレシーバー重量が100g以上軽いのですから銃身重量がもう少し軽くても良いかとも思います。ボーラ鋼についても再度研究してみるという言葉をもらいこの件に付いては納得しました。
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