ベレッタ社は57,58シリーズの後継機としてS680を開発しこれまでの故障しやすい銃と言うイメージを一新しました。しかしS680には上下のセレクターが付いていることから同発などのトラブルも若干ありS682にバージョンアップしたときには取り外されていました。このセレクターが57,58シリーズの時にも一番の故障の原因でったのですが、競技専用と言うカテゴリーはまだ確立されていなく狩猟銃の延長線上でしかなかったのです。競技では常に初矢は下銃身からの発射があたりまえです。(例外もありPerazzi社ではオーダーすれば作ってくれます。MX3などは市販の銃でありながら上銃身が初矢という変わったものでした。現在発売中止)これは一般に下銃身から発射された時の反動のほうが少ないからであり、より有利に2発目を発射するためでもあります。基本的にトラップの場合下銃身の方が上銃身よりもチョークがきつく設定されています。1発目を失中して2の矢をかけたときクレーは初矢発射時よりもさらに遠くに飛んでいます。距離が離れても初矢と同じくらいのパターンが得られるように作られているからです。しかし狩猟は、常に自分から獲物が遠ざかっていくとは限りません。鴨などは遠くから近づいてくる場合もあり初矢で遠い獲物を撃たなくてはならないときにセレクターを切り替え上銃身から発射するのです。こういうケースは結構頻繁にあり狩猟銃としての観点から開発されたものには必ずセレクターが付いています。現在のベレッタ社の上下二連銃にも交換チョーク式のものやアメリカントラップ用にはセレクターがついています。 |