Lesson 7 左スイングと回転軸 基本のスイングの考えかた |
ストレートの基本スイング動作をマスターしたら次は左スイングです。 家での横方向のスイング訓練の基本パターンは水平、もしくはダウンスイングで行います。ダウンスイングは1mで5cmくらい下がるようにスイングするのが目安です。 右スイングも同様ですが、このダウンスイングのマージンがどの位取れているかにより2の矢の的中率が大きく変わってくるので基礎訓練としては非常に大事な部分と言えます。 ストレートの縦方向の動きを完全にマスターしていればスイング時に自然と水平に振っていてもダウンスイングがかかりますのでストレートの動きがちゃんと出来ているかの確認にもなります。 一般的にスイング練習と言うと実際にクレーが飛んでいく角度を想定して行うことが、ほとんどですが初心者には全く無駄な練習といえます。 きちんとした動作で振り出すことが的中につながり、またその時に使う筋肉を体に覚えさせて無駄な動きをしないようにするためにも水平方向のスイングのみ行うことを推奨します。 スイングに関して例えば左方向にクレーが出た場合、まずは水平に振り出すのが基本動作になります。 実際にどの位、水平に振るのか?と言う質問を私が射撃を教えている方に聞かれますが照星の移動距離にして初めのうちは15cm〜20cmくらいは我慢して水平に振り出してからクレーを追いかけていくようにしてください。最終的には銃身分3本くらい横に振り出す感じになります。 UFOキャッチャー(ぬいぐるみを取るゲーム)で言うと横のボタンは押しっぱなしで縦を小刻みに押し斜めに移動させる感じになります。 恐らく自己流で射撃を行っている方の90%がほぼ初動は縦方向の動きからスタートしています。 これは訓練なしには縦方向に動く動作が一番楽であるため、まずは動きやすい縦方向となるためです。 本来、初動は横方向からの動きでスタートすることが正しいのです。 これは、縦方向から初動で始まった場合、クレーとの距離は縦に動いているうちは広がる一方で縮まることはなく更にスイングはワイパーのように山なりとなりクレーの後ろの上を撃ち失中する確立が非常に高くなります。 後ろの上を撃って外す事が多い人は、ほとんどがこのパターンです。 山なりスイングになると銃身でクレーが隠れた瞬間に自分の意思とは無関係に脊髄反射で引き金を引かされてしまうのです。 上級者においても失中するパターンで一番多いのではないかと思います。 ちゃんと初動で銃の振出が水平方向から始まっていれば山なりスイングになることはなくクレーとの距離も離れることもなくクレーの飛行線をそのままトレースして行き自分の狙点に来た時にトリガーを引くのは容易になります。 山なりスイングの場合は脊髄反射でトリガーを引かされてしまいますが、横から初動が始まっていればクレーと照星は常に視界に入っていてその距離が縮まっていき弾を発射してクレーが割れるのが目に入ってきます。 【正しいスイングが出来ている場合】 コール⇒クレー放出⇒横に振り出す⇒クレーと照星の距離が縮まる⇒狙点に照星が来る⇒同時に発射⇒クレーが割れる⇒フォロースルー この一連の動作がすべて目の中に入ってきて初めて自分でクレーを割った事になります。 【正しくスイングが出来ていない場合】 コール⇒クレー放出⇒銃を振り出す⇒クレーと照星があう⇒同時に発射⇒クレーが割れる⇒銃が止まる この場合はクレーが割れた状態と言えます。 行き当たりばったりですので大量の弾数を消費していないと、コンディションは維持できませんのでかなりスコアーにムラが出ます。 更に言うならばクレー放出⇒目だけクレーを追う(目が飛ぶ、クレーに目が行く状態で銃は動いていない)⇒銃を振り出すになっているはずなのでクレーと照星の距離が縮まっていく過程など見えるはずもなく何年も射撃をやっていても一向にうまくならない人は、ほぼこれが原因です。 スイング開始のタイミングはクレーが放出された瞬間に自分が動き出せる最速のタイミングで行うことが基本となります。 一般的に「クレーを飛ばしてワンテンポ遅れてスイングをしろ」と日本国内では言われることが多いですが、これは32g装弾の時代の話であり現行のオリンピックルールでは全く通用しません。 このアドバイスを信じてトレーニングをしても頂上は低くもったいない限りです。 但しこのアドバイスは極端に銃の振出が早く、撃つ瞬間に銃が止まってしまう人には絶妙なアドバイスになることがあります。 しかしながら、あくまでもクレーの飛距離に対してスイングのタイミングがあうようになるだけの話で対処療法であり、乱暴な言い方ですが逆に言えばこのアドバイスで当たる様になる人は振り出しの基礎が全く出来ていないと言えます。 これに該当する人から良く聞く話は公式セットはそこそこ当たるがクレーが遅い練習セットに来ると当たらないというものです。 「クレーが遅くって銃が先に行き待ちきらない」と言うものです。 通常、クレーが遅くなれば難易度は下がりスコアーはアップするのが当たり前です。 優しいクレーが当たらないというのは、なんともおかしな話です。 この話もケースバイケースですが基本的な考えからがアメリカやヨーロッパの「クレーと照星が撃てば当たる条件になった時に撃つ」と言う考え方の原則に則った射法ならば優しいクレーは外さないのが当たり前と言うことになります。 話を戻しまして「銃の振り出しのタイミングはクレーが放出された瞬間に自分が動き出せる最速のタイミングで行う」についてですが、出来るだけ自分が動ける最速のタイミングなのですが銃は極力ゆっくりとソフトタッチで【じわぁ〜】と振り出すことが条件となります。 この「じわぁ〜」が非常に難しいところであり極意でもあります。 この「じわぁ〜」は脱力具合、集中力、目の見る位置、前後左右のバランス等の要素が万遍なく絡み合い初めて成功すると言えましょう。 当面の課題は「クレーを飛ばさず横にゆっくりじわぁ〜と振り出す」となります。 |
次回予告
左スイングのフォームと回転軸に続く