Lesson 6目の焦点について
ここでは、目の焦点と照星の置く位置またその時の目の運びと照星の動きについて説明致します。大きく二つに分けて基本の白線に照星を置くやり方と高付けと言われているやり方を簡単に説明致します。また、クレーと照星の目の配分は7(クレー):3(照星)位が適当です。目標物があるからこそ狙う事が出来るという原則からクレーの発見を重要視します。自分に合う方法を選でください。これはあくまでも基本動作ですので皆様でさらに工夫してみてください。

まずは基本の白線付けです。赤い丸の位置に照星を置きます。この時に目の焦点はピンクの点の位置にあわせます。この高さは白線(出口)から約7〜8m位のところです。人間の動体視力に置いて普通の人はクレーが出てから5m位までクレーは線でしか捕らえる事が出来ずようやくクレーとして確認出来るのが5〜6m位まで飛んでからです。このため線でしかないクレーをクレーとして捕らえた時に一早く焦点を合わすために出口の白線ではなく距離にして7〜8m、見た目の高さにして20cm位上を見るのです。青い丸は集中して見える範囲です。黄色の丸は周辺視でなんとなく見えている範囲です。
これは実際にクレーが飛んだ時にどのように目と照星が動くのが良いかをあらわしたものです。赤い実線がクレーの軌道です。これに対しピンクの実線まではクレーは線でしか見えません。黒い実線が照星の動きです。白い実線は目の動きです。飛んで行くクレーに対し白い実線を青い丸が移動して行き、常にクレーと照星を視界に捕らえていなければなりません。一般的にいわれている目が飛ぶと言うのはこの青い丸から照星がいなくなってしまう現象です。
今度は、高付けです。基本的には白線付けと同じで照星だけを上にあげてください。目線は照星のわずか上に合わせます。この時青い丸の中に出口付近が入っているようにしてください。上を見すぎるとクレーの放出の瞬間を見逃してしまい結果的に失中に繋がります。クレーに向かってスイングするという事は横+縦の動きで動いています。クレーの出だしに対して縦の移動分を省略して早くクレーを捕らえるのが高付けの最大の狙いです。
各実線の色分けは上と同じです。高付けで一番大事な事は高くつけている分初めの照星の移動距離が下につけているよりも少ないという事です。振り出しに付いてですがクレーを飛ばさずに出た瞬間にほぼ水平にゆっくり振り出すのがポイントです。真ん中でどんな角度のクレーでも単純に右か左と分けて反応良く横に振り出すのがコツです。必ずクレーの飛行線よりも下に入れてから放物線を描くようにクレーを追うのが基本です。この時低いクレーは照星と交差した瞬間に撃ってしまってかまいません。また、目線までクレーが上がってくるのを待ってからスイングを開始したのでは高くつけて縦にスイングする分を省いている意味が無いので飛ばさずに振り出してください。
これは、失敗例です。このように目と照星が動いてしまうと必ずクレーの後ろの上を撃ってはずします。銃の動きはまるで車のワイパーのように山形になりスウェーします。必ずほぼ水平に振リ出して一回クレーの飛行線の下にいれクレーをトレースしましょう。クレーの下をスイングすると言う事は撃つ瞬間まで照星とクレーが見えていると言う事です。もし後ろや下を撃って初矢をはずしても照星もクレーも同じ視界に見えていますので確実に二の矢でクレーを捕らえる事が出来ます。
Lesson6のポイント
基本的な目の動きに関して何をイメージすればよいか?それは双眼鏡です。
たとえば双眼鏡で覗いてクレーを見たとします。覗いている視界の中心に照星が有ると考えてください。
この時クレーの移動にあわせて目玉だけを動かしてもクレーは視界から消えていきますよね?
この状態が目が飛んでいる状態です。ですからクレーをなるべく飛ばさず照星を中心とした視界をクレーのほうに移動するのが理想的です。
この状態が出来ているコールしてクレーが放出され銃を振り出し照星とクレーの距離が縮まって行き自分の狙点(引き金を引くと当たる位置)で引き金を引いてクレーが割れるまでがすべて見えるはずです。
逆に目が先に行ってしまうとクレーの出た瞬間とクレーを撃つ瞬間に一瞬、照星が見えるだけとなってしまいます。
イメージトレーニングとして実際に射撃場で他のプレイヤーが撃っているのを後ろで見ながら手で双眼鏡を作りクレーを追うのも良い訓練になるかと思います。