銃刀法改正に伴う注意事項

平成21年12月4日より改正銃刀法が始まりました。下記要綱が変更になりましたのでご注意ください。

1.更新期間の変更

所持許可証の許可銃砲の更新期間が変更になりました。

更新期間が
「許可の有効期間が満了する(誕生日)の2ヶ月前から1ヶ月前までの間」となりました。
従来の更新期間は「許可の有効期間が満了する(誕生日)の2ヶ月前から15日前までの間」から
15日間短縮されていますのでご注意ください。

★特例措置として平成22年2月3日が誕生日の方まで、従来の更新期間で申請することか出来ます。
 



2.医師の診断書

申請に添付する医師の診断書の内容が変わりました。

所持許可申請及び更新申請等の際に「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第8条第1項にに規定する「精神保健指定医」または「銃刀法第5条第1項第3号又は第4号に該当するするか田舎の判断に必要な知識経験を有すると認める医師」が作成した診断書が必要となります。

簡単に言いますと各都道府県警察の指定医療機関若しくは
「精神科、心療内科、神経内科やメンタルクリニック」などの心の病気の専門機関であれば良いということです。ただし、精神関係医療に従事して2年以上の実務経験が必要との事ですのでご注意ください。

医療機関に関してはお近くの銃砲店や所轄の警察署に診断をしてもらえる診療所を紹介してもらうと良いのですが断られてしまうケースが多発しております。
一番確実なのは専門医療機関ではなく「内科と心療内科、内科と神経内科」など看板を上げている医療機関等に依頼するほうが書いてもらえる場合は多いです。
さらに、内科に風邪などで診察歴があればめったに断られることは無いようです。

後は面識のある、かかりつけのお医者さんで紹介してもらう方法が今のところベストのようです。
また、精神科でもらう診断書は保険が適応になりませんのですべて自費診療となります。

料金に関しては医療機関によりマチマチで現状入ってきている情報では2,100円〜60,000円となっております。
また、保険証の有無、診断書の書式書類の有無によっても価格が変わってくるようです。
(保険証は初診料に関して保険適応になるようです)

診断書の書式に関しては各都道府県警察のHPよりダウンロードするか所轄の警察署、または銃砲店で入手が可能です。

 



3.装弾ロッカーの火薬類の管理帳簿

平成21年12月4日より各個人ごとに装弾ロッカーの弾や火薬、雷管の管理帳簿を備え付けて記録し3年間保存することが義務化されました。
これを怠ると銃刀法違反になりますので
取り消し対象となります。
警察署から提出を求められたときに、それが出せないと違反となりますのでご注意ください。

基本的に装弾等の購入日、譲受数と場所(住所も必要)、消費地の場所(住所の必要)と消費数、また譲り受けに関しては譲り受け許可、無許可譲受、有害鳥獣、ハンドロード等の情報も記載が必要です。

この記録に関しては決められた書式はありませんのでノートに線を引いて記入しても良いしパソコンを使用しエクセルなどで管理してもかまいませんが必ずプリントアウトして書類で残す必要があります。

業界では警察から出された文章ではどのように記録すれば良いのか分かり難いので管理帳簿を警視庁と折衝して作成しました。どのような物を作ればよいか分からない方は銃砲店等で取り扱っておりますのでご相談ください。



記載例 
こちらは記載例です。複数所持している方はこのような表にまとめて書きましょう。1丁のみの方は1丁分でOKです。
また所持銃砲一覧と購入場所、消費地の一覧を別にまとめて記入しておけば台帳には略名でもOkです。
自宅ロッカーの残高は800発を越えないように購入してください。

受け⇒購入  払い⇒消費  キ⇒譲り受け許可 ム⇒無許可譲受 ユ⇒有害鳥獣 ハ⇒ハンドロード

日 時 購入及び消費日時 許可種別 散弾銃
適合実包(  12番  )
散弾銃
適合実包(  20番  )
ライフル銃
適合実包( 308win )
ライフル銃
適合実包( 300wsm )
ロッカー内
合計残高
使用銃種別 備考
受け 払い ロッカー残 受け 払い ロッカー残 受け 払い ロッカー残 受け( 払い) ロッカー残
12/4 繰越残       150     10     20       180    
12/10 浦和銃砲 500   650                    680    
12/12 ニッコー栃木     287 363                   393 A 射撃
12/27 栃木県那須塩原           10 0             383 C 狩猟
12/30 埼玉県秩父郡                 8 12        375 D 狩猟
1/3 ニッコー栃木     363 0                    12 B 射撃
1/5 浦和銃砲 500   500                    512    
1/5 浦和銃砲       30           20   20 562    
1/6 ニッコー栃木     180 320    30 0             352 A C 射撃
1/10 埼玉県秩父郡                 6         346  D 狩猟
                                   

銃砲一覧 適合実包 銃番号 種別記号
Perazzi MX8 12番 AP17542 A
ミロク SP120 12番 M98951NR B
ミロク MSS20 20番 M54852SX C
マンリカ 308win M1452L D
レミントンM700 300wsm V854521k E



購入及び消費場所 住   所
浦和銃砲火薬店 さいたま市浦和区岸町6-1-8
ニッコー栃木綜合射撃場 栃木市尻内町吉原金剛1856-5
埼玉県秩父郡 埼玉県秩父郡皆野町
栃木県那須塩原 栃木県 那須塩原市塩原
   






4.射撃技能講習の導入

従来の経験者講習(講習修了証明書)と同じく実技の講習修了証明書が必要になります。
この講習修了証明書が無いと更新や新規銃砲の申請が出来なくなります。

但し、猶予期間が設けられていて平成21年12月3日の段階で所持許可の有効期限がある銃砲に関して、
すべての銃の1回目の更新まで実技免除となります。その間は講習修了証明書が無くても銃の申請が出来ます。

複数丁の銃を所持していて更新が毎年(3年間)ある方は今現在で言うと平成24年の更新まで免除ということになります。
また、銃を1丁しか所持していない方が平成21年12月4日に更新が完了した場合12月4日以降に2丁目の銃の所持許可申請をする場合はこの講習修了証明書が必要となります。もちろん次の更新時にも必須となってきます。


初めに座学がありその後実技となるわけですが自分の銃と弾で行います。
技能講習は散弾銃の場合トラップ(15m)、スキート(フリースタイル)、フィールド5mで行うことが出来ます。ライフル銃はライフルレンジにて行います。
基本採点は射撃教習の合格基準に準じて行いますが得点だけでなく安全な取り扱いなども採点基準があり、ただ基準枚数クレーが割れれば合格と言うわけには参りません。
合否に関しては即日発表ではなく取り扱いの安全性や法的な対応+実技基準点に達しているか?を検討し後日知らされるそうです。1回の受講人数は散弾銃6人まで、ライフル銃3人までとなっております。

この実技講習導入で1つ問題点が浮上しました。MSS20などスラッグ専用のボルト式散弾銃の場合もクレーを撃つのか?と言うことが問題となりました。しかしながら散弾銃はあくまでもクレーを撃つことが前提となり、結果この種類の銃の場合は散弾銃、ライフル銃以外の銃と言う新しい分類になりライフルレンジでライフルの講習と同じように受けることができるようになりました。
この銃種の変更は平成22年の銃砲検査の際に対象銃を所持している人の任意で切り替えることが出来ます。

私の見解では生涯その種類の銃、若しくはライフル銃しか所持する気が無いのならば変更したほうが良いでしょう。しかし上下二連銃も所持しているならば散弾銃のままにしておいたほうが良いと思われます。
これは更新にかかる銃で受講しなければいけないわけではないので上下を持っているなら上下で講習会に参加すれば良いからです。
さらに言うならばMSS20やターハントしか所持していないのであれば自動銃でも良いので猶予期間の内にクレー射撃が出来る銃をもう1丁所持して講習会はその銃でクレー射撃で受講した方が確実ではないかと考えます。

MSS20やターハントならば基準点もらくらくクリアーでしょうが410番改造モデル(ウィンチェスターM94やAR10等)などでは命中精度の問題で基準点に達しない可能性があるからです。
ましてはレミントンM1187やM870などのキャンテレバーやスラッグ銃身のみの人は26インチのリブ銃身を購入するなどしてクレー射撃で講習を受けた方が良いでしょう。


講習会受講に関して埼玉県を例にすると所持者が約5000人くらいいて単純に3(年)で割ると毎年1600人くらいの人がこの講習を受講しなくてはなりません。しかし埼玉県の場合埼玉県警が契約をしている射撃場は百穴射撃場のみでしかも1回の最大講習受講可能人数が6人ですから午前と午後2回行っても1日12人までとなります。週に1回行ったとして年間50回開催で600人しか受けることが出来ない計算になります。と言うことは最低でも1600人をクリアーするには130回以上行わないと間に合わない計算になります。週2.5回行うことは現状無理があり、そうすると更新時期が迫ってから申し込んでも予約待ちで「6ヶ月先まで受講できません」と言うことになりかねません。

このシステムは各都道府県警が各射撃場と独自に契約をして行うために住居地の県の指定の講習会しか受けることが出来ません。ですから免除期間が終了した段階で早めに申し込み講習を受講しておかないと更新が出来なくなり失効と言うことも十分に考えられます。このままですと、おそらく全国で3000人くらいの所持者が失効するのではないかと思っております。

当然、捌ききらないのは初めから分かっておりますので「免除対象」なるものが設けられております。
この対象者に該当するかどうかは各都道府県警の判断になるようですが例を挙げると「日本クレー射撃協会所属で各県クレーの強化選手」などは対象になるそうです。しかしその人たちを除いたところでたいした数にはならないでしょう。

ですから各都道府県体協所属の射撃連盟等からの推薦なども受け入れるのではないかと考えています。
しかし連盟に所属しているだけでほとんど撃たない人などは対象からはずすべきだと考えています。
あくまでも私の独自見解ですが年間で2000発以上弾を消費している人でその実績が証明できる人や日本クレー射撃協会に所属していてBクラス以上の人とかを対称にすればもっと人数が捌けるのではないかと考えています。

現行オリンピックルールでBクラス(80点以上)撃つのはトラップでもスキーとでもそこそこ練習しないと難しいので縛りとしては丁度良いかなと考えています。また年間2000発程度練習していれば最低でも月に1回以上射撃場に行かないと消費できませんので実技を免除しても良いのではと考えています。


実際に狩猟しか行わない人は免除対象にならないですが射撃場にて非常に取り扱いが危ない方を良く見かけます。そういう方はしっかり実技講習を受けて再度安全確認やルールマナーを身に付けていただきたいと考えております。

受講に関しては検察官が立ち会うとの話が出ています。これは初心者が銃を所持する時には技能講習と射撃教習の公安と民間の2本立てで行っているのに対し今回の技能講習は半官半民で行うために実質公安主導で行われるからです。
ですからごまかしは一切出来ませんし不合格になれば再度申し込みをして合格するまで受けなくてはなりません。
運転免許で言えば教習所ではなく免許センターで一発試験を受けるのと同じです。
また危険行為がありそれが銃刀法に引っかかるようなら、そのまま立件し取り消しと言うことも考えられます。

私が一番心配しているのは、まず座学が始まるときに「皆さん銃と弾はお手元にあるでしょうか?」と聞かれたときに銃と弾が車のトランクに入れたままの人は全員その場で不合格になると言うことです。さらに言うと銃刀法違反で全員取り消しと言う可能性もあります。
銃と弾は自分の管理下に常においておかないといけませんのでトランクの中では即アウトです。
ただ「じゃぁ車が目の前にある場合はどうなんだ?何かあればすぐに対応できる距離にいるから管理下だ!」とかの話になると何mまでOKなの?近くても車が見えない場所はだめ?など収拾が付かなくなることも予想されます。

実際に始まってみないことにはまだ何も分からないという段階ですがすぐに受講が必要になる人は早めに申し込んだ方がよさそうです。




5.破産手続きが開始していない証明書

銃刀法の改正で自己破産している人は銃の所持が出来なくなりました。
この証明は市役所にて発行してもらえますが本籍地での発行となるので本籍地が遠方の場合は取り寄せに時間がかかりますので早めに行わないとなりません。