狩猟を始めてみたい! どうやってはじめればいいの? |
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近年、ハンターの高齢化による減少で農作物の被害が増えています。 特にイノシシ、シカによる被害が問題になっています。 狩猟ブーム時には50万人いたハンターも今では半分になってしまいました。 全国的にもハンターを増やそうと言う動きはありますが、どのようにしてはじめれば良いのか?わからないと言う方がほとんどです。 ここでは、狩猟免許の種類や免許取得までの流れ、猟犬についてを説明していきます。 |
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狩猟は20歳から可能です! 狩猟免許は20歳になると取得が可能になります。 銃刀法では低年齢者推薦を受けることで散弾銃は18歳、空気銃は14歳から所持することが出来ますが狩猟は20歳にならないと行うことは出来ません。 まず初めに狩猟は大きく分けて4つに分類されます。 1.わな狩猟免許 2.あみ狩猟免許 3.第一種狩猟免許(散弾銃、ライフル銃) 4.第二種狩猟免許(空気銃) この4種類の免許は、それぞれ使用する法定猟具が違い、それらを使用して狩猟を行うには、それぞれの免許を取得しなければなりません。 また、銃を所持すれば狩猟が出来るわけではありません。 銃の所持許可は「都道府県公安委員会の許可」で狩猟は「都道府県知事」の許可だからです。 それぞれ許可している監督庁が全く別となっています。 銃を使った狩猟をする場合は、それぞれの資格を取得しなければなりません。 基本的に狩猟はわな、もしくはあみを使用して行う事が前提で、銃を使用する場合は「合法的に銃を所持してください」となっているわけです。 実際に狩猟をするには出猟する都道府県に狩猟税を納め登録証を発行してもらいます。 これは全国共通ではなく出猟する都道府県ごとに狩猟税を納めることが必要で一県ごとに約20,000円くらいかかります。 実際には猟友会に入り申請をする方法が一般的になりますので大日本猟友会、都道府県猟友会、支部猟友会、ハンター保険等の会費や保険料も合わせて支払いますので初めの1県目は34,000円前後が必要となります。追加申請(2県目以降)は狩猟税のみ支払う猟友会がほとんどのようです。 猟友会に入らずに個人で申請する方法も今までは出来たのですが今現在ハンター保険に個人で加入することが出来なくなってしまったために事実上不可能となりました。 個人での申請にはハンター保険の加入証明がないと申し込みが出来ない決まりで、万が一事故があったとき無保険では困るからです。 免許を取れば何でも獲れるわけではない! 狩猟免許を取得しても、全ての鳥獣を捕獲して良いと言うわけではありません。 法令で狩猟対象に指定している狩猟鳥獣のみ捕獲が許されています。 これは、どの種類の免許を取得しても共通となっており、特例の有害鳥獣駆除以外は捕獲できる種類と1日に捕獲して良い捕獲数が厳しく規制されています。 また狩猟鳥獣に指定されている鳥獣でも都道府県によって禁止もしくは自粛するように指定されているものもあります。 わな狩猟免許 一般的にククリ罠や箱罠等を使用し、可猟区に設置して獲物がかかるのを待つ狩猟法です。 主に狙う獲物はイノシシ、シカ、熊となります。 実際問題として罠にて、これらの獲物を捕獲しても、ただ捕獲しただけではどうにもなりません。 捕獲した獲物は「トメ」といって仕留めなくてはなりません。 この時に散弾銃、ライフル銃、空気銃のどれかが必要になってきます。 ですから単独でわな猟を行う場合は第一種免許も取得し合法的に銃を所持することが前提となります。 しかしながら役割分担的に罠で捕獲する人(本人)と第一種狩猟免許を取得し仕留める人(パートナー)で分かれて行っている人もいます。 あみ狩猟免許 あみ猟のほとんどは鴨の捕獲のために行われています。 一般的に無双網や投げ網などが主流で、他に袋網などすずめを一度に大量に捕獲する方法や野うさぎを捕獲するウサギ網などもあります。 また、はり網の一種の「かすみ網」は非狩猟鳥を含めた多種類の鳥類を非選択的に多量に捕獲することが出来る量具のために、これを悪用した密漁が後を絶たないことから使用及び所持、販売も規制されています。 したがって、かすみ網を使用した狩猟は違法となっております。 第一種狩猟免許 第一種狩猟免許は散弾銃やライフル銃など装薬銃を使用した狩猟に必要な免許です。 散弾銃による鳥撃ちやライフル銃によるシカ撃ちはには、この免許が必要になります。 また、第一種狩猟免許は第二種狩猟免許を兼ねますので第一種狩猟免許を取得すつと空気銃での狩猟も可能となります。 普通運転免許を取得すると50ccバイクが運転できるのと同じような関係です。 散弾には熊やシカなどを撃つ一粒弾(約18mm)からすずめを撃つ9号弾(約2mm)まであり、捕獲目的に応じて粒の大きさが違う号数を選びます。 また、ライフル銃の所持においては散弾銃を所持して10年以上のキャリアが必要で、熊、シカ、イノシシの3つの獣を捕獲することのみ許されています。 通常は散弾銃の一粒弾のスラッグを使用して熊、シカ、イノシシ猟は行われますが有効射程距離や威力の問題で一撃では仕留めることが困難な状況を想定してライフル銃は特別に許可されます。 一般的な有効者的距離と最大到達距離
このように、散弾銃とライフル銃では、その威力は比べ物にならずその取り扱いに関しても十分注意しなければなりません。 第二種狩猟免許 第二種狩猟免許は空気銃専門の狩猟の資格です。 空気銃にガス式、ポンプ式、元折れ式(スプリング)、プレチャージ式と大きく4種類に分かれます。 空気銃の許可対象の最大口径は8mm以下となっております。 主に国内で販売されている口径は4.5mm、5mm、5.5mm、6.35mmの4種類です。 今、日本で主流の種類は口径5.5mmのプレチャージ式で内臓タンクに200気圧までエアーを充填し、その空気圧を利用して弾を発射するタイプの空気銃です。 他の空気銃よりもパワーがあり、その射程距離も通常の空気銃が20m位に対し70m位まで狙うことが出来ます。 小鳥を専門にハンティングを考えているならば4.5mmのポンプやガス式が最適ですし鴨やキジ、遠距離射撃がメインならば5.5mmのプレチャージ式となります。 空気銃の狩猟は基本的に飛んでいない鳥が目標となります。木の枝に止まっていたり畑でエサを食べている鳥、沼や池、川などにいる鴨を撃つ狩猟スタイルとなります。 ですから基本的には車やバイクで可猟区を流して行き、獲物を発見したら撃つというような狩猟になります。 実際に狩猟鳥を発見した場合、散弾銃でも畑にいるキジや川にいる鴨を撃つ時は20m位まで近寄って仕留める必要があります。 ポンプ式やガス式などの空気銃でも基本的には20m位まで近寄らないと確実に仕留めることができません。 しかしプレチャージ式の場合は40〜50m離れて撃つことが出来、獲物の警戒距離の外からの射撃になりますので撃つ前に逃げられてしまうリスクがほとんどありません。 命中精度は銃を完全にフィックスした場合、50mの距離で的が10円玉位の大きさならば10発撃って10発命中します。 このようにパワーと命中精度を兼ね備えた次世代空気銃がプレチャージ式なのです。 |
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免許の取得 狩猟免許取得には各都道府県による狩猟免許試験に合格しなければなりません。 試験は住民票の住所地の都道府県でのみ受験することが出来ます。 埼玉県の場合、自然環境課による試験が年間に あみ、第一種、第二種が2回、わなが4回行われています。 午前中に法令の筆記試験があり合格者のみ、午後は模擬銃を使用した銃器の取り扱いや鳥獣の判別、目測などの試験があります。 両方の考査に合格したら免許取得となります。 この試験に対し、ほとんどの都道府県猟友会で直前に講習会を開催しています。 狩猟人口減少に歯止めをかけるためにも1人でも多く合格してもらいと猟友会員を増やす努力をしています。 平成24年現在、埼玉県猟友会では、当日使用するテキストと例題集のみ購入してもらい講習会は無料で行っています。埼玉県で受験する方は、この講習会を受講する事が出来ます。 第一種、第二種の受験資格は基本的に銃を所持していることが前提で行われています。 しかしながら銃を所持していなくても受験することが出来ます。 銃の所持者は銃を所持する上で身辺調査の段階で精神科医の診断書を提出していることから、所持許可証の写しを添付することで受験資格を満たしているとしています。 ですから同じように医師の診断書を添付することにより受験することが出来るのです。 銃の所持許可交付までは最短でも2ヶ月半ほどかかります。 このため狩猟試験の出願期間に間に合わない場合があります。 このような場合でも受験できるように配慮されています。 |
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空気銃による狩猟 一般的に流し猟と言われる猟法になります。 車やバイクで可猟区を流して、獲物を見つけて仕留める方法がほとんどです。 狩猟対象は幅広く、ほぼすべての狩猟鳥が対象になります。 手軽で安全に狩猟が出来ることから近年、エアハンターは増加傾向にあります。 基本的には川にいる鴨や畑にいる鳩、キジ、カラス等がメインで発射した弾も地面に弾着して止まるため矢先の心配がほとんどありません。 また、プレチャージ式空気銃など遠距離に対応した空気銃の出現により居鳥(飛んでない鳥)に対して他の空気銃や散弾銃よりも確実に獲物と獲ることが出来ます。 散弾銃による狩猟 散弾銃による狩猟は大きく分けて猟犬を使用した猟と使用しない猟の2種類に分かれます。 猟犬がいない場合 基本的には空気銃と同じ流し猟となります。 猟犬無しで狩猟を行っている方は全体の70%くらいです。ですから猟犬がいないからと言ってあきらめる必要はありません。 最近はマンションに住んでいる方も多く、ペット不可であったり比較的大型である猟犬を飼うことか出来ないのも理由となります。 例えば鴨とキジを狙って犬無しで狩猟をする場合、一番多いのが河川敷での狩猟となります。 河川敷をジグザグに歩き、行き当たりばったりですが踏み出しでキジが出たら撃つと言う踏み出し猟です。 キジなどの鳥は歩いているうちは隠れている50cm横を通っても、ほとんどの場合飛びませんが、立ち止まると、勝手に見つかったと勘違いして飛び立ちます。 この習性を利用して藪を蹴飛ばしながら音を立てて歩き、5歩〜7歩くらい歩いたら立ち止まる、と言う歩き方を繰り返すことにより踏み出し猟を行います。 初猟(11月15日)から一ヶ月位は、この方法でキジを獲る事ができます。 1ヶ月を過ぎてスレて来ると飛び立ちが早かったり、這って逃げて行き遠くから飛んでいくようになります。 しかしながら結局は運次第と言ったところでしょうか? 当然、河川敷ですから鴨が川にいる事も結構あります。そういう時は忍び足で近寄り射程に入ったら撃ちます。 単独猟の場合はジグザグに広い河川敷を歩くことになるのでかなりの体力を消耗しますが、複数で行う場合、ローラー作戦的に移動すれば効率は上がります。 猟犬がいる場合 一般に猟犬と言っても種類があります。 キジや山鳥猟に適した犬種は「セッター、ポインター、ブリタニー」この3種に絞られます。 また、ラブラドールなども猟犬ですし、プードルやビーグルも猟犬ですが鳥犬は鳥の匂いを拾い追い詰めて行き最終的に「ポイント」と呼ばれる猟犬独特の姿勢を取り獲物を動けなくします。 このポイントをする習性を持った犬種が鳥犬として使うことが出来ます。
また、イノシシやシカなどの猟に使う犬は吠えて獲物を追いたてます。 四足(シカやイノシシ)猟のほとんどは立つ(撃ち手)と勢子(追い役)に別れ「勢子が複数の犬を連れて獲物を立つのいる方に追いたて、出てきた獲物を立つが仕留める」と言うグループで行う巻き猟となります。 この時に使用する犬種は甲斐犬やビーグルなど良く吠えて、獲物に襲い掛かり噛み付く、勇敢な犬です。 シカ猟では追い立てて、イノシシ猟では攻撃して動きを封じる感じで猟が進んでいきます。 どちらにしても、鳥と四足では使用する犬種が変わってきますので、当然その訓練方法も変わってきます。 しかしながら、最低限の躾として「呼び戻し」や「人を咬まない」等は必須となります。 ラブラドールなどは鴨等の回収に使用する回収犬で獲物の運搬のみとなります。
上記の犬種を飼っているならば、すぐに猟ができるかと言ったらそうではありません。 もちろん訓練は子犬の頃から必須となりますが、ペットショップ等で購入した犬はショードッグ系と言われ猟犬としての、その本能的な血が薄れていて使い物になりません。 これらのショードッグを猟犬に戻すには一般的にビッチリ訓練をした上で4世代以上かかると言われています。 ですから猟犬として購入するのであれば狩猟犬専門のブリーダーや猟友会仲間からハンティングドッグとして訓練されている犬の子犬を購入しなくてはなりません。 しかし、どんなに良い血統の子犬を手に入れても訓練が疎かでは効率よく鳥を獲る事ができません。 一般的にキジを獲るなら捜索範囲をショートレンジ(50m以内)になるように訓練しなければいけませんし山鳥を専門に獲りたいならロングレンジ(100m以上)まで走る犬に訓練する必要があります。 両方を狙うならショートレンジに仕上げておけば対応できますが沢の上の方まで撃ち手も犬と一緒に犬と同じ速さで移動しなければなりません。 どういう事かといいますとキジは河川敷や休耕田などに生息していることが多く、また有効者的距離の問題や当然ススキなどの藪が濃かったりした場合に見えない位置や50m以上先でキジを追い出されても撃つチャンスがありません。 たまに運よく撃ち手のほうに飛んできた時にGETできればラッキーです。 撃てないような遠くでキジを追い飛ばすだけのダメ犬のことをハンターの間では「ポチ」と呼ばれています。 いないよりましなのですが、いると撃てない位置で全部追い飛ばし、逆に獲れないと言う現象も考えられます。 ポチはもう番犬としてしか価値がなくなります。 その他に獲物をせっかく落としても回収することなく「落とした鳥を食べてしまう犬」等は最悪なポチです。 一般に山鳥猟は沢下りと呼ばれる一気に沢を猛スピードで下って逃げていく山鳥を撃つ猟となります。 その捕獲難易度は非常に高くチャンスは一瞬しかありません。 しかし近年、沢下りする山鳥はほとんど減ってしまい下らずに逆に上って逃げて行ったり横に飛んで沢伝いには飛んでこないことが多くなりました。 この為、山鳥の臭いを取ったら犬が一気に距離を詰めて、もう下って逃げるしか方法が無いと言う状況に追い込む必要があります。 ショートレンジの犬では自分も犬と一緒に沢を上がらなくてはいけませんし、チンタラ歩いていると獲物がいる場所に到着する前に這って逃げていってしまったり到底撃てない距離で沢を下らず飛んで逃げていってしまいます。 そこで、一気に走って沢を上っていくロングレンジに訓練された猟犬が必要となってきます。
足の強さに自身があるならショートレンジでも山鳥猟は出来ますが山鳥がいるポイントが良く見える足場の良い位置で撃ち手は待っていて、後は犬を全力で走らせる方が効率がよいのです。 しかしこのような犬ではキジは難しくなってきます。 ですから猟犬の訓練と言っても一長一短ですね。 |
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