岩手県岩泉猿沢猟区狩猟報告  平成18年11月18日〜19日
2日目は鴨撃ちの場所を確保しようと少し早めに宿を出ました。
2日目ということもあり私たちの他にはハンターの姿はなくゆっくりと鴨撃ち場へと歩いていきました。
今回の猟は出会いがかなり有り群鳥も結構見られましたがメスが多く撃てるチャンスが少なかったのが残念です。山鳥に関しては過去最高の目撃数でほとんど沢を登らないで目撃してますので足が強い方など沢を登っていけば相当数の出会いがあったと思います。
猟区ですので当然キジなどは放鳥していますが今回は放鳥の鳥には出会いませんでした。
その理由は役場に入猟許可証を返還しに行った時にわかりました。
まず初めに放鳥をした場所に問題がありました。役場としては放鳥した鳥がそのままいついて繁殖してくれればと考えています。しかしながらせっかく放鳥した鳥が猟区外に出てしまうと猟区内で繁殖しないのでは?という懸念から山の奥に放鳥したとのことです。実際に放した場所を確認すると今回私達が行かなかったエリアでした。
しかしながらここで私は疑問に思います。まず前提として猟区なのですから鳥がいなければお金を払ってまで入る意味がありません。一般的にキジがいる場所に放鳥しないと意味がありません。
ですからまず放鳥する場所に問題があります。しかも山の中でキジを放しても餌がとれずに死んでしまう可能性もあります。
当然鳥ですから飛んでどこへでも行きますのでどこに放しても同じと思われます。
それならば繁殖が可能な場所にたくさん放すほうがよいでしょう。そこら辺をもう少し考えてもらいたいものです。
さらに今回放鳥した場所の1つは11/15に猟区との境で地元のハンターが根こそぎ獲ってしまったようで猟区用に放鳥した意味がまったくありません。どうも意図的な疑念が頭から離れません。
捕獲数よりも鳥をたくさん見たという事実が岩手の奥地まで行った価値につながると私は考えます。
今年は実際に乱場も猟区内もさほど鳥の生息数に差はなく猟区に入る意味を再度考えさせられました。来年は猟区は1日で十分かと思ってしまいました。
この点の改善を町役場に申し出てみようかと考えています。
2DAY岩泉町(19Nov2006)

am6:25
車を降りてすぐに鴨撃ちをする予定の小川のほうに鳶が低空で飛んでいきました。するとカルガモが3羽飛び立ちました。なんというアンラッキー....。鷹などの猛禽類を警戒してか鴨は飛んでいってしまいました。実際に鳶は生きた鴨は襲いませんが鴨からしてみたら区別がつかないのでしょう。

am6:35
辺りにはまったく人がいない状態でしたので比較的ゆっくり準備をして鴨のいる小川を川上から攻めました。しばらく歩くとコガモが3羽飛び立ちました。今までの経験だとこの後にマガモかカルガモが出ることが多いので撃たずに見送りましたが第2波で出たのもコガモでした。2羽フラッシュした内1羽を落とし弾を再充填し第3波を待ちます。するとまたもや出たのはコガモでした。
1発撃ちましたが川の中に落ち回収できませんでした。

am6:50
初日にメスキジがいた辺りで犬がポイントしました。しかし出たのはメスキジであえなく見送りです。

am7:10
河川敷をぐるっと回り昨日福島の方と出会った場所に移動を開始しました。途中には畑がありキジを目撃した事も何回かあるので無駄なくそこも見ることにしました。
しかしながらここでまたもやアンラッキー...。先ほど同様に鳶が低空で飛んでいくと60mくらい先の畑からオスキジ1羽、メスキジ4羽が山裾の方に飛んで行きました。
一応、追い返しで犬を入れてみたのですが、そこにはもういなくてあきらめました。
昨日、福島のハンターの方が攻めていた林道を上がっていきましたが獲物はいなく下山していると偶然福島のハンターの方に会いました。彼もまたここが穴場だと知っていて上がってきたみたいです。

am7:50
場所を猟区との境に移動して小さい河川敷を攻めました。藪の中には糞がたくさん落ちていたことからこの場所に獲物が多数いたことが判明、しかし出たのは山鳥のメス1羽でした。

am8:30
昨日、山鳥とキジを見送った場所に移動することにしました。今回は作戦を変えて藪の中を移動中に獲物に這われてしまわないように逆ルートで攻める事にしました。
しかしこれが失敗でした。車を止めリンゴでも食べて休憩しようという事になりくつろいでいると大きなキジの鳴き声が!続けざまにオスキジが4羽頭の上を飛んでいきました。どうやら篠藪越しの畑に出ていたようで私たちの気配で飛んでいってしまった様子。
100m先の河川敷の藪に降りたのを確認しましたが撃つ事はできませんでした。
銃は降ろしていましたがカバーがしてあり弾も入っていませんでしたのでまったくのノーチャンスでした。
その後昨日のポイントまで行ってみましたが匂いもなくあえなくこのエリアは終了です。


am9:20
先ほどの飛んでいったキジがそろそろ落ち着いた頃だと追い返しを狙って移動しました。
追い返しの基本は這って移動する前にすぐに現場に行くか、しばらく時間を空けて警戒を解いてから忍びで近寄り急襲するかどちらかです。
犬がいない場合はすぐに追いかけるのが基本で犬がいるならば多少移動しても追跡でき出来ますので時間を空けるのも一つの方法です。
先ほど降り立った場所をよく確認し獲物のいる範囲を仮想してどの方向に飛ぶかをシュミレーションします。
2人の意見が一致したところで作戦を練ります。まず私が飛んでいくであろう方向に移動し50mくらい先で待ち伏せをします。このとき細心の注意を払い極力音を立てずゆっくり立ち位置まで移動します。配置についたころにボスが犬を入れて追い出します。
ところが予想に反し挟み撃ちで追う予定がまさに犬を入れたところからフラッシュしてしまいました。

作戦では青い矢印の方向に飛んで行き私が仕留める予定でしたが実際は30m近く右に移動していてボスが藪に入ったまさに足元にキジは移動していました。そして赤い矢印の方向に飛んでいきました。
多少は移動しているのが当然と思っていましたがまさか足元とは思っておらず1発撃つもあたらず飛んで逃げていったそうです。
4羽飛んで行った内の2羽はここにいましたが1羽はおそらくかなり移動したものと思われます。

am9:55
車に戻り移動を開始しようとしていたときに自転車で移動していた地元の御爺さんが「50m先の田んぼにキジがいた」との情報を得てボスが車で私は歩いてその場所に移動しました。おそらく残りの1羽がこのキジでしょう。50mくらい忍び足で進みとオスキジ発見!が........。同一直線状に農作業をしている人が!今回もノーチャンスでした。キジはまたもや飛んで行きました。

am10:20
タバコの在庫がなくなったので近くのタバコ屋に行きました。ここでは毎年リンゴを買ったりパンなどの食料を補給する貴重な商店です。するとお店のお母さん達が「あ〜〜!来た来たよ!鉄砲撃ちが来たよ!」となにやら喜んでいます。「あんた達さ猟の当日券持ってるの?」と聞かれ「あぁ入猟許可証か」と思い有りますよと言ったら「そこのさ80m先に車が置いてあるだろ?その先にキジが2羽いるんだよ!撃っちゃっておくれよ」との事。どうやら育てているブルーベーリーが被害にあっていてやっつけて欲しい様子。
またとない申し出に早速銃に弾を込めて忍び足で近寄るとすぐにフラッシュ!2羽のオスキジが山に向かって飛んでいきました。
1羽に狙いを定め構えて発射!すると、どこからかカラスが急降下してカラスに命中?すぐさま2の矢でキジを撃ちキジは竹やぶに落下、しかし崖がきつくさらに入って行けないようなくらい密集して竹が生えているため回収不可能でした。ボスが山を登っていき畑と平行に犬と一緒に押していきます。すると先ほどの残りの1羽が飛んでいきました。
今年は繁殖が良くかなりの数がこのエリアで育ったとの事。しかし猟区内のために普段狩ることが出来ないので畑はやられ放題らしく困っていたそうです。

am11:00
場所を移動して乱場に向かいます。ここはかなりの小さい場所なのでちょっと見て終わりです。
犬を降ろしてすぐに認定が始まり犬を見ながら方向を特定して行き撃ち良い場所に移動します。完全にポイントしてキジがフラッシュしましたがメスキジでした。
時間的にも移動を考えると丁度良い頃合なので道に駅に向かいお昼となりました。

                 私は牛丼、ボスはタン麺を食べました。

pm12:50
大まかに猟区内のめぼしいところは見たので乱場に移動することにしました。山鳥狙いで沢を上がれば猟区内もかなり有望なのですがとりあえず楽なところを攻めようと移動を開始しました。
昨日、車を流して「ここなんか良さそうだ」と言う場所に行って見ました。
そこはリンゴ畑で銃禁との境です。山裾からせめて行きリンゴ畑に入れるところを見つけたので針路変更をすると犬がいません?なんと藪を進んだところでポイントをしていました。こんな所にいるのは山鳥しか考えられず、そうしているうちにオス山鳥が4羽、メス山鳥が1羽飛んで行きました。私たちの位置からはわずか鳥が確認できるくらいで、撃つことはできませんでした。
歩き良いリンゴ畑ではなく藪の中を直進していれば3羽は取れたかもしれません。痛恨のミスです。

pm13:10
その後しばらく進むとメス山鳥が2羽斜面にいるのを発見しましたが周囲にオスはいませんでした。

pm13:50
昨日、新規開拓したメス山鳥が群鳥でいた沢に行って見ました。今回は段取りが分かっているので忍び足で近寄り撃つ作戦です。
車を降りて用意をしているとボスが斜面にオス山鳥を発見した模様。私は確認できませんでしたが「あのあたりに移動した」といって大きい松の木の辺りまで移動するように言われ移動しました。しかし私には山鳥は分からずどうしたものか?と思っていると、いったん戻って来いと言われその場を3歩くらい動いた瞬間さっきいた足元からオス山鳥が沢を下って行きました。なんと言う不運.....。移動していなければ獲れたであろう見事な山鳥は一瞬にして沢を下り飛んで行きました。
その後昨日メスがいたポイントでまたもやメス山鳥が2羽でました。

pm14:15
乱場で小さな場所ですが良さそうな場所を見つけたので車を止めて歩くことにしました。
入ってすぐにカモシカとにらめっこです。撃たれる事のないカモシカは逃げもせずに、こちらを見て威嚇を始めました。

年々カモシカが増えてきていて植林された木々に被害が出ているようです。
カモシカも去り50mほど歩いて見てもまったく匂い無しでした。いい場所なのになぁ。と思っているとキジがいない最大の理由が分かりました。
オオタカです。このエリアにはオオタカがいて、そのためオオタカが天敵のキジはいないようです。藪の中を歩いていると大きく羽ばたき優雅に100mくらい飛んで木に止まりました。
オオタカが地面にいたということは獲物を捕らえたということでしょう。早速オオタカが飛び立った場所に行ってみました。昨年はメス山鳥が鷹落しにあい食べられているのを見ました。
今回もキジがやられているのかと思ったら違いました。
なんと!飼い猫でした。かわいい三毛猫が餌食となっていました。外傷はまったく無いところから脊椎が一気に砕かれたようでした。まだ生きていましたが、もう助からないでしょう。飼い主は猫が帰ってこないのを心配するでしょう。おそらくのんきに日向ぼっこでもしていて襲われたのでしょう。田舎では車に轢かれるだけでなく鷹にさらわれる危険もあるのです。
オオタカが遠くまで飛んで行かなかったのも獲物を置いて帰れないからでしょうね。
猫派としてはショックな出来事でした。

pm14:55
比較的緩い勾配の沢に移動をしました。
ここは歩きながら居鳥が見られるポインドですが獲物の臭いもなく空振りでした。


pm15:20
日の入りまで1時間と迫りいまだ収穫はコガモ1羽......。段取りが良ければ山鳥は定数に達していたはずである。林道に入り居鳥の流し猟に切り替えました。
林道に入り山鳥を探します。しばらく走っていると「ガサガサ」と落ち葉の上を歩く音が聞こえました。車を止めてもらい銃を持って車を降りました。しばらく耳を澄ましているとまた「ガサガサ」と音が!音の方向を見てみるとオス山鳥発見!すかさず斜面を登りながら銃カバーを投げ捨て弾を1発薬室にいれ構えて発射!
獲物までの距離約8m.......。
なんと弾は獲物の上に弾着してまるっきり外れ。1発しか装てんしていないのでゆっくり飛んでいく山鳥を見送る羽目になりました。距離が近かったのでかぶせて撃つのですが保険をかけすぎて失敗しました。
飛んでいく山鳥を見てボスは「あああぁ!オスじゃねぇか!何で外したんだ??」と怒っていました。「あんな距離外すんじゃねぇよ......ああぁ...あれがラストチャンスだなもう撃つとこねぇぞ...」
車に乗り残り半分の行程を進み始めました。

pm15:50
ボスは無口なまま運転をしていました。
急カーブに差し掛かり、いかにも山鳥が居そうなポイントに差し掛かったその時、斜面にぼやっと白いものが見えました。しかもその中に赤い小さな何かも見えました。
「??????」
見た感じは林道などの横に良くある認識標識のような感じですがあまりにもぼやっとしてるので「俺はそんなに目が悪くなったのか?」と目を凝らしてみてみると「なんだか山鳥っぽい感じ。

そうして見ているとついに山鳥と確認!動き出したその時に特徴的な長い尾羽が!
すぐさま銃を持って車を折り斜面に走っていきました。今度は落ち着いてカバーを外し弾は2発込めて獲物に向けて発射!同じく距離8mくらい!先ほど外した時の修正を入れて撃ちました。1発で命中してようやく獲物を確保!
岩手では珍しいくらい尾羽が長く(といっても栃木県辺りでは1年子の標準くらい)「これは剥製だな」っとボスの機嫌も直った様子。
まだ時間的には余裕がありましたがUターン出来るドン詰まりまで車を走らせそこで記念撮影をしました。撮影する頃には日も暮れ今年の猟もここで終了です。

帰りの車ではボスは「まったくよ、あんな距離外して今日は飯抜きにしよう」と思っていたらしく「大体な国体行ったからっていい気になってるから外すんだ!」とかどうやって叱るかを悶々と考えていたようです。そんな様子だったので居鳥には気がつかなかったようで私が発見して撃って獲ったので文句も言えず「さっきのは帳消しにしてやるか」と一言だけ言いました。


初日:猟果 コガモ1羽  山鳥 1羽
目撃鳥獣 オスキジ 8羽  メスキジ 6羽  オス山鳥 8羽  メス山鳥 6羽
       マガモ 3羽  コガモ 7羽  オオタカ1羽  カモシカ 1頭
発射弾数 ボス:3発  庸一:5発

 

3日目埼玉への帰路