クレー射撃メンタルと射撃率
実験投入⇒実戦投入を経てダメだしをして勝負の形が仕上がったらいざ試合です!あらかじめスケジューリングされている試合に技術、メンタルともにピークに達していれば好成績が期待できます。またピークではなくてもそれなりの結果が出るはずです。試合を終えたら考察に入ります。この考察は次の試合に向けて重要なデーターとなりますので必ず分析してください。

分析項目は下記の通りです。
1.射撃前の体調(風邪や下痢、ドライアイなど)
2.睡眠の状態
3.仕事や家庭などの心理的プレッシャー
4.試合に対するプレッシャー

他にも個人的な要素があると思いますがそういう事もすべて踏まえて射撃前と射撃後に万全の状態を100%ととしてどのくらいのコンディションかを判定します。
もし射撃前に自己診断したコンディションが70/100つまり70%だとします。その70%を試合でどのくらいこなせたか?を試合後に判定します。70%の射撃具合を100%出し切れたのならば70%x100%で7000点となります。
逆にコンディションが90%でもプレッシャーや組み合わせが悪く集中できないなどの原因で50%しかこなせなかったならば90%x50%で4500点となります。
そうなるとたとえ70%の仕上がり具合でも90%の仕上がりよりも結果は良いスコアーを撃てることになります。これが射撃率という考え方です。
柔道の谷亮子選手はシドニーオリンピックで金メダルを獲得したときに言っていました。「試合では普段の30%の力しか出せない」でもその30%の力を100%以上引き出しているそうです。
この射撃率を確定させるためにも通して同じ射撃を4ラウンド通して行わないとダメなのです。
この射撃率のデーターをある程度とると一定のグラフができます。そうすると仕上がり具合からおおよその結果が予測されるようになり出た結果がその予測よりも下回ることはめったになくなります。そうすると予測よりいい得点が撃てた時は満足度が高く、予想通りでもがっかりしないのでプレッシャーもかかりにくくなり落ち着いて射撃がこなせるようになっていきます。
私は勝負というのはあくまでも優勝が一番大事であり2位以下は負けと同じと考えています。ですからブッチ切る必要はありません。トップの人より1点多く撃てばよいのです。
例えばライバルがいて、その人が優勝する可能性が高いとします。おおよそ92点を撃って来ると予測されたら自分は93点を撃てるようにトレーニングをするのです。実際93点を撃てたけどライバルは94点を撃ってきたとすれば次は95点を撃てるようにがんばるのです。しかしながらここで幅という考え方があります。これはどのスポーツにも共通しています。JOCでもメンタルの講義では多々出てくる項目ですので知っている方も多いことです。

右の図を見てください。

ABCDにはそれぞれコンディションにより撃てる得点には幅があります。ABCDすべての競技者が最高のパフォーマンスを出したら勝つのは常にCですがABCが不調の場合Dにも勝つチャンスがあります。これは各競技者の射撃率により幅があるからです。
コンディション100%でなくてもパフォーマンス100%以上の射撃ができたとすればこの状態はゾーンと呼ばれる領域です。一般的には一生に何度かしかないといわれていますがトップアスリートにはそれをコントロールできる人もいるようです。
すべての競技に共通する事と思いますがまずは基礎競技力の向上とそれの維持が第一で積極的に試合に臨みできるだけドキドキしてメンタルを鍛え無の境地で射撃の望めるようになればトップアスリートになれることでしょう。その第一歩は射撃が好きであること!これに尽きます。常に目標と向上心を持ち継続していくことがトップアスリートへの近道だと考えています。